不動産売却の委任状について

不動産売却にあたって、所有者本人が誰か別の人に手続きを委任して、実際にはその委任された人が行うという場合には、証拠として委任状を渡すのが一般的であるといえます。委任状に特別な様式はありませんが、ある程度基本的な事項は押さえておいたほうがよいでしょう。
不動産売却の手続きとはいっても、不動産会社に仲介を依頼するための媒介契約を締結する段階から、買主との不動産売買契約の締結、その後の所有権移転登記まで、さまざまな段階にわかれます。通常はどのような権限を相手に委任するのかを箇条書きなどで書き記した上で、不動産売却の対象となる物件の所在地や面積、売却代金の金額などといった、特定ができる事項を盛り込みます。もちろん、所有者本人や委任する人の住所氏名などについても記載するのは当然であり、印鑑を押捺するにあたっても、市町村役場に登録している実印をもって行うのがふつうです。そして、その市町村役場で交付を受けた印鑑登録証明書や住民票といった、たしかに委任状を書いたのが所有者本人にまちがいがないことを示す証拠書類もあわせて添付しておくのが適切であるといえます。
実際は仲介依頼のような不動産売却の初期の段階から他人に依頼することはそれほどありませんが、少なくとも買主との契約を済ませて不動産の所有権移転登記を行う段階になれば、司法書士のような法律の専門家に登記手続きを依頼するのが通例ですので、ここでさきほどのような、司法書士に登記手続きを委任するための委任状は、ほぼ必ずといっていいほど求められることになるといえます。